古代エジプト上最も名を知られたファラオはツタンカーメンである。 しかしその名声とは裏腹に、その生い立ちや王位に付いた経緯など謎に包まれているファラオでもある。
なぜならツタンカーメンは、王銘表にも載っていないほど歴史から忘れられたファラオであり、記録はほとんど残っていない。 逆にいえばこのことが王墓の盗掘にも合わず世紀の大発見につながったのだ。
この謎に満ちたファラオが、本当に王家の血を引く正当なファラオなのかどうかを調べるためミイラのDNAテストが行われることになった。
ツタンカーメンのDNAと彼の祖父にあたると思われるファラオのDNAを比べようというものだ。
ツタンカーメンは、3,300年前のエジプトを8歳から17歳までの間、治めていたファラオでアクエンアテンから王座を引き継いだとされる。 しかしアクエンアテンがツタンカーメンの父親なのかどうかは、長い間考古学者の間で論争となってきた。
アクエンアテンは、エジプトの歴史上もっとも謎に包まれたファラオの一人で歴史上、最初に一神教を唱えたファラオでもある。 強い国が弱い国を滅ぼすことがあたりまえの時代に、アクエンアテンはアテン神信仰のもと、自由・平等・博愛の精神でエジプトを治めた。 このため、アクエンアテン時代、エジプトは急速に国力が衰えた。
ツタンカーメンはアクエンアテンの亡き後、大混乱のさなかに王位に付いたのである。 DNAテストは、混乱の時期のエジプトを知る上で貴重な手がかりとなるだろう。
テストは早稲田大学の協力も得てツタンカーメンとアクエンアテンの父親アメンホテプ3世のDNAを比べることで行われる。
上エジプトチーフ考古学者のSabri Abdel-Aziz氏によると、最初のDNAテストは12月12日に王家の谷にあるツタンカーメン王墓の中で観光客の見学を数時間閉鎖して行われる。
参考ニュースソース Yahoo news Experts To Test King Tut's DNA By SALAH NASRAWI, Associated Press Writer
INN特派員:ハンニバル43世 2000年11月13日
New Carthago City