ギザの大ピラミッドの正確な建造年代を特定する有力な手がかりが得られた。
ケンブリッジ大学のKate Spenceによると、ギザの大ピラミッドの建造が始まったのは、紀元前2485年から2475年の間だという。 従来の一般的な説より約1世紀さかのぼることになる。
Spenceによると、ピラミッドの建造は、当時のエジプトで永遠の存在として知られる星々と強く結びつくという。
エジプトでは、北天はファラオが死後旅立つ所として特に神聖視されていた。 そのためピラミッドの一面は正確に北に向けられた。
地球の自転軸には、2600年周期で1周する歳差運動という振れがあるため、当時のエジプトでは北極星は天の北極を示す目印として使用できなかった。 その代わりエジプト人は当時、天の北極を挟んで正反対に約10度づつ離れていた小熊座のKochabと大熊座のMizarを使用したのである。
エジプトの天文学者は、天の北極の回りを小熊座のKochabと大熊座のMizarが回転し上下に一直線になるのを待って、この星ぼしを結ぶラインを水平線まで引き伸ばす事により正確な北を求めた。 エジプト人はこのラインに合わせてピラミッドを建造することにより、正確にピラミッドを東西南北に合わせる事ができたのである。
しかし、上でも述べた歳差運動のため、これらの星と天の北極が完全に一直線に並ぶのは、紀元前2467年のみである。
もし大ピラミッドの建造がこの年に始まったとすると、ピラミッドは、完璧に北を向くことになる。 逆にいえば完璧な北からのずれを測定することによって、ピラミッドの建造年が正確に特定できることになる。
もちろんこれはエジプト人が歳差運動により星の並びが徐々にずれつつあることを知らずに、星の並びのみから、北を特定したと仮定してのことになる。
Spenceの計算によるとギザの大ピラミッドは、KochabとMizarが天の北極と完全な直線に並ぶ年より、約11年前に建造が始まったらしい。
この説が正しいとするとエジプトの多くのピラミッドの建造年代が、かなりの正確さで求められることになる。
しかし一方で、エジプト人たちは星の歳差運動による動きを熟知した上で、モニュメント作りに利用していたとする有力な説も存在するため、しばらくは議論を巻き起こしそうだ。
参考ニュースソース
Yahoo news Monday November 20 12:46 PM ET
Archaeologists Find Sarcophagus in Egyptian Tomb
Yahoo news Wednesday November 15 2:01 PM ET
Stars Said To Tell Age of Pyramids
Stars Hold Great Pyramids' Secret
By Rossella Lorenzi,Discovery.com News
INN特派員:ハンニバル43世 2000年11月21日
New Carthago City