現代人の起源はアフリカではない?

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 現代人はどこからきたのか、約3,5000年前最後の古代型ホモサピエンスであるネアンデルタール人がヨーロッパで絶滅し、人類は一種類のみとなった。
 ネアンデルタール人は現代人に滅ぼされたのか? それとも現代人と混血していったのか、人類学上最大の謎があり現在も大論争が続いている。

 化石を研究対象とする古人類学者の多くは、世界各地の古代型ホモサピエンスが、それぞれの地域で独自に進化を遂げ現代型ホモサピエンスになったとする多地域進化説をとっている。
 この説では現在の人種間の違いは、古代型ホモサピエンスの時代からの違いであるとされる。

 これに対しアフリカで進化を遂げた現代型ホモサピエンスが残りの地域の古代型ホモサピエンスをすべて駆逐して入れ変わったとする単一起源説がある。 この説を一躍有名にしたものがミトコンドリアイブ理論であるが、この説が地道に化石研究を行っている人類学者ではなく分子生物学者の説であった為、発表当初過剰とも思える反論が相次ぎ、名指しで相手を批判し合うほどの大論争が続いている。

   しかし近年ネアンデルタール人のDNA鑑定などから現代人とのつながりが無いことが判明し、一気に単一起源説に軍配が上がったように思われていた。
 ところがこの仮説を覆すような研究報告がオーストラリアから届いた。 通称マンゴ人と呼ばれる約60,000年前の人骨のDNA鑑定を行ったところアフリカ起源のホモサピエンスとは関連が無いことが判明したのだ。

 更に多地域進化説の最先鋒である人類学者のウォルポフも再び気勢をあげている。
 ウォルポフがjournal Scienceに寄せた論文によると初期人類の頭骨の分析からアフリカ起源のホモサピエンスとネアンデルタール人や各地に生息したホモエレクトスの間に混血が起こったことは間違いが無いそうだ。
   再び、激論が再発しそうな雰囲気なのでINNでは注目していきたい。

参考ニュースソース

CBS News:Human race may have dual ancestry
WebPosted Fri Jan 12 12:12:15 2001

Yahoo! Asia - News Asia
Sunday, January 1412:53 PM SGT
Mungo Man reignites debate about humanity's origins

ヤフーニュース
Friday January 12 3:38 AM ET
Human Migration Theory Disputed
By PAUL RECER, AP Science Writer

ヤフーニュース
Thursday January 11 2:10 PM ET
Did We Come Out of Africa? Studies Collide
By Maggie Fox, Health and Science Correspondent

別冊日経サイエンス
現代人はどこからきたか 馬場悠男編

INN特派員:ハンニバル43世 2001年1月14日

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