服を着たサル?

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 ヒトは、いったい何時頃から衣服を身に着けるようになったのだろう?衣服の繊維は、化石として残りにくい為、これまで、まったく謎に包まれていた衣服の起源に関して、ユニークな説がドイツの研究者により発表された。
  ヒトだけに寄生する特殊なシラミの研究から、衣服の起源を探ろうとするものだ。ヒトに寄生するシラミは、3種類ほど知られているが、このうち主に衣服に寄生して発疹チフスなどを撒き散らすコロモジラミに注目した。コロモジラミは、人間が衣服を身につけるようになって以降アタマジラミから進化したと考えられる事から、コロモジラミの起源を調べれば衣服の起源がわかるという発想である。

 こうしてコロモジラミから取り出したミトコンドリアDNAをチンパンジーのシラミのDNAなどと比較検討した結果、コロモジラミは約7万年前に誕生した事がわかった。つまりヒトが衣服を常時身につけるようになったのは、意外と新しく約7万年前のことだと考えられるのだ。

 約7万年前、地球上には我々の祖先の現代型ホモサピエンスとネアンデルタールなどの古代型ホモサピエンスの2種類の人類が共存していた。おそらく衣服の発明は、アフリカを出たばかりの新参者の現代型ホモサピエンスではなく、古くから寒い地域に進出していた古代型ホモサピエンスによりなされたのかも知れない。
 現在この研究者グループは、同じような手法を用いて、ヒトの祖先がいつ体毛を消失したかを調べようとしている。


参考資料

Science - Reuters
'Lousy' Study Shows Clothing 70,000 Years OldMon Aug 18, 3:17 PM ET


INN特派員:ハンニバル43世 2003年8月21日

New Carthago City