古人類学の歴史を塗り替える大発見があった。
インドネシアのフロレス島で新種の「ホモ属」に属するヒト科生物の化石が発見された。オーストラリアの古人類学者ピーター・ブラウン博士等が発見した新種のヒト科生物は、一体分の女性と思われる全身骨格とその他の個体の骨の断片で、合計で7体分に及ぶと言う。女性が生きていたのは、約1万8000年前で、最も新しい骨は、約1万3000年前の物と鑑定された。この事から「ホモ・フローレシエンシス」と名づけられたこのヒト科生物の生息年代は、約9万5000年前から1万2000年前ごろだと言う。
とにかく驚きなのは、その年代の新しさである。1万2000年前と言えば、700万年の人類の歴史からすれば、ほとんど現代と変わりは無いことになる。つまり現生人類の、生活するすぐ横で、まったく異質な人類が生活していたのだ。
研究者によると、その解剖学的形態からホモ・フローレシエンシスは、インドネシアのホモ・エレクトスである「ジャワ原人」から進化した種と考えられると言う。しかし、ホモ・エレクトスから進化したにもかかわらず、脳容量はホモ・エレクトスの半分以下で、身長もわずか1m足らずだという。ところが驚く事に、このチンパンジー並みの脳しか持たなかった人類は、火を使い、優れた石器を作成し集団で狩を行っていた証拠があるのだ。まさに、人類進化の常識を覆す21世紀最大の人類学上の発見といっても過言ではないだろう。
科学者たちは、ホモ・フローレシエンシスは、約1万2000年前にフロレス島で起こった大規模な、火山爆発で絶滅したと考えている。しかし、フロレス島にオランダ人が入植を始めた1500年代以降、「小さな人のような生物」の伝説が幾度となく話題に上がっていると言う。ホモ・フローレシエンシスが、現在まで生き残っている可能性は、否定できないのだ。
更に、インドネシアと言えば、謎の小さな獣人「オラン・ペンデク」の伝説で、現在でも名高いのだ。「オランペンデク(小さな人)」はスマトラ島でたびたび目撃され、「オランウータン(森の人)」と共に現地では、その存在は古くから知られていた。オランウータンが、発見され実在が確認されているのだから、オラン・ペンデクの存在を疑う理由は無い。
ホモ・フローレシエンシスが、ホモ・エレクトスから進化したとすると、当然フロレス島のみならずスマトラ島や周辺の島々でも同じような進化が起こっていてもおかしくない
ホモ・フローレシエンシスの生き残りこそ、オラン・ペンデクの正体ではないだろうか。事実、オラン・ペンデクの特徴は、完全な二足歩行で身長が低く、知能が高いとされていて、ホモ・フローレシエンシスの姿そのものである。更に、ホモ・フローレシエンシスは、たった1万2000年前・日本でいえば縄文時代まで、生息していた事が、ほぼ確実なのだ。インドネシアの広大なジャングルの中に、ひそかに生き残っていたとしても、何の不思議も無い。
今まで、世界中で数多くの獣人の目撃例があるにもかかわらず、その存在が否定されてきたのは、原始的な特徴をもつ人類の祖先が、最近まで生き残っていた証拠が、まったく無かったからなのだ。あたらしい、証拠が発見された以上、イエティや野人、オラン・ペンデクの存在する可能性は、一気に高まった事になる。
参考資料
Yahoo! News Thu, Oct 28, 2004 Science ? Reuters
Scientists Hope to Find More Tiny Indonesia Hominids
By Michael Perry
Yahoo! News Thu, Oct 28, 2004 Science ? AFP
Tiny hominid is big news in tale of human evolution
Today’s paper Science
Discovery of miniature humans stuns scientists
By ALANNA MITCHELL
Thursday, October 28, 2004 - Page A3
INN特派員:ハンニバル43世 2004年10月30日
New Carthago City