現在、世界最古の文字と認められているのは、古代メソポタミアのシュメール文明の文字である。しかし、それ以前の遺跡からも文字らしい記号は多数発見されている。最近では、失われた古代文明が水中に沈んでいるらしい事もわかってきている。
そんな中、世界最古の文字の候補が、実に意外な所で発見された。南米ペルー沿岸の砂漠地帯である。この一帯では、つい最近、今から5000年前にまで遡る事のできる巨大な古代都市が確認されたばかりである。
それらの超古代都市の一つカラル遺跡で、縄文字キープが発見されたのだ。キープは、インカ帝国で広く使われていた物で、縄の結び目の数や間隔、色などの組み合わせで、複雑な情報を記録する事が出来た。解読はされていない物の、その複雑さから、言葉を記録できた真正の文字であったと考えられている。
カラル遺跡は、6基のピラミッドと優れた灌漑設備を備えた巨大な都市であるが、2002年に、出土物の年代測定により少なくとも約4600年前には存在していた事が確認されている。この遺跡からキープが見つかった事により、キープの起源は一気に2000年以上も遡り世界最初の文字の候補に浮上してきたのだ。
シュメール文字は、約5200年前ごろに成立したとされている。カラル遺跡の年代を考えると、キープは最低でも4600年前には存在していた事になる。周辺の遺跡の年代なども考慮すると、恐らく5000年以上前から存在していたと考えられるのだ。これからの発見次第では、人類の歴史そのものを塗り替える大発見につながる可能性もでてきた。<
INN特派員:ハンニバル43世 2005年9月7日
New Carthago City