キム・ジョンイル核放棄を決定か？

　このあとの、作戦はこうだ！
　「我々は、敵の侵略に対して核能力を実証したまでだ。でも国際社会がそんなに騒ぐなら、平和を愛するわが国は核を放棄しよう。その代わり、見返りはたっぷり要求するよ！」
　これで対外的にも、国内的にも大義名分立てて核を放棄できるわけだ。最後のカードをつかったと言う事は、間違いなく折れたという事である。
　核実験のタイミングも絶妙である。日本では、政権交代直後で政権の足固めは整っていない。更にブッシュ・小泉仲良し同盟が終わり、日米の足並みもそろっていない。ついでに、アメリカでは中間選挙を控え、これ以上の他国への武力行使は、まず考えられない。今なら、即、武力行使を受ける心配は無いわけだ。

　おそらく、各国の経済封鎖の影響が、目に見えて現れてくる今後半年以内に、北朝鮮は柔軟路線へと方針変換をするだろう。そこから先は、一括放棄を求めるアメリカに対して、小出しに廃棄を進めて行くという戦略なのだろう。
　この事を暗示するように、北朝鮮は声明の中で「安全保障の見返りに核開発プログラムを放棄する」とした昨年の６者協議の合意に触れ「今回の核実験はこれに違反しない」「実験は合意を実行する積極的な措置でもある」と述べている。
　しかし、核実験がもし失敗だったとすると、北朝鮮のシナリオは、大きく狂う事になるかも知れ無い。