9300年前のアメリカに白人がすんでいた・・・続編

INN Head Line News

 この記事は、980706-03の続編です。
 アメリカはコロンビア州で発見された9300年前の白人の物と思われる遺骨に関する詳細な情報をお伝えする。 一見してコーカソイド系の特徴が認められるこの遺骨にはケネウィック人と言う名前がつけられジム・チャターズ博士の元、頭像の復元作業が行われた結果、俳優のパトリック・スチュアートそっくりの均整の取れた白人系の顔が浮かび上がって来た。 アメリカでは身元不明の遺体の頭像の復元作業は頻繁に行われているが、その復元の精度はかなり高く十分信頼のおける物である。

 しかし、ジム・チャターズ博士らの「遺骨が白人男性の物」だとする主張に地元のアメリカ先住民ウマティラ族から猛然と抗議の声が沸きあがった。 彼らの主張によると遺骨は彼らの祖先のもので、それを白人の物だとする事は祖先を冒涜する事にほかならない。 直ちに遺骨を返還するように求めるウマティラ族との間に裁判沙汰の論争が起こっている。

 一方この発見を重要視したスミソニアン協会のダグ・オーズリー博士は詳しい調査の為、軍に遺骨の移送を依頼したが、遺骨は軍により没収されオーズリー博士の元に届く事はなかった。 それどころか軍は科学者に5日間だけの猶予を与えた後、遺骨の発見された河原を175、000$もの巨費を投じて土砂で埋め尽くしてしまった。 軍の行動を不服とする科学者たちが起こした訴えにより陸軍の行動を規制する法案が上下両院で可決されたが、陸軍はこの法案を無視し法案が施行される直前までに完璧に発掘現場を埋め尽くしてしまった。

 アメリカ陸軍による一連の行動は波紋を呼びさまざまな憶測を呼んでいるが真相はまったく不明である。 現在遺骨は、シアトルの博物館が保管しており、アメリカ政府が状況を再調査して遺骨の引き渡し先を決定する予定である。

INN特派員:ハンニバル43世 1999年1月15日