INN特別企画・・・21世紀対談:宇宙人磯六 地球を語る! 第一弾。
(ハ)ハンニバル43世・・・INNインタビュアー
(イ)宇宙野磯六(ウツノ イソロク)・・・宇宙人
(ハ)始めまして、磯六さん。 今日は、お忙しい中お越しいただき有り難うございます。 えー、磯六さんは、宇宙人だという事ですが私には普通の人間にみ えるのですが、本当に宇宙人なんでしょうか。
(イ)もちろんそうですよ。
(ハ)では、磯六さん、今回はじめてインタビューに応じていただけたわけですが、今までインタビューを拒否されていた理由を教えていただけますか。
(イ)そんなこと決まってるでしょ。 誰にでも話せれば、とっくに記者会見を開いて堂々とテレビに出てますよ。 我々が地球にいる事は、最高機密ですよ。
(ハ)分かりました。 それでは細かい事は抜きにして早速インタビューに入りましょう。 まず、今回最高機密を破ってまで取材に応じてくださった事につい て、何か心境の変化でもあったのでしょうか。
(イ)えーそれなんですがね。 最近やる事なす事すべてが裏目に出てね、地球でのくらしも窮屈で、どうしようもないんですよ。 もうこうなったらどうにで もなれといったところなんです。 大体、宇宙人がポピュラーになりすぎて好きな事を言いふらす人が増えすぎて、どうしようもない状態なんですよ。
(ハ)なるほど、宇宙人にとっても地球が暮らしにくくなってきていたとは知りませんでしたが、いろいろな事を言いふらす人がいるというのはどういう事です か。 又、それでどうして暮らしにくくなるのですか。
(イ)まず世の中には宇宙人情報が氾濫してるでしょう。 ウンモ星人から手紙が来たとか、火星人が多数地球に住んでいるとか、アメリカが宇宙人グレイと密 約して秘密実験を行っているとか、ナチの残党が宇宙人の技術を用いて地球征服をねらっているとか、数え上げればきりがないですよ。 さっきも行ったように 我々は秘密に暮らしているんですよ。 みんなが宇宙人がいるかもしれないという疑いの目を向けはじめたら用心しないわけにはいかないでしょ。 数百年前ま では宇宙人という概念すらなかったわけですから疑いを持たれる事もなく暮らしは楽でしたよ。
(ハ)なるほど。 しかし何故こそこそと隠れているのですか。
(イ)それはですね。 簡単な事なんですよ。 地球人が恐いんです。 我々は、地球人が死ぬほど恐いんです。
(ハ)これは又、意外な答えですね。 遥かかなたの惑星から宇宙船に乗ってやって来るほどのテクノロジーの持ち主が、地球人を恐れているとは。 あなたが たにとって地球人から身を守る事ぐらい簡単な事ではないのですか。
(イ)確かに今のところはね。 しかし、我々が恐れているのはそのような表面的な事ではありません。 まず何を一番恐れているのかというと、地球人が我々 よりも優れているという事です。 肉体的な面、適応能力、学習能力、それから脳が潜在的に秘める能力。 すべての面で優れています。 特に地球人の脳! 地球人は脳のほんの一部しか使用していないんですよ。 つまりまだまだ膨大な処理能力を備えているという事です。 通常、ハードとソフト、人の場合で言え ば脳と知能は同時に発達するはずなんだ。 ところが地球人と来たら、たとえて言うならスーパーコンピューターにウインドウズを入れてワープロに使っている ような物なんですよ。 分かるでしょ、こんな人たちに我々のテクノロジーがもれたらどうなると思います? こんな恐い事はありませんよ。
(ハ)なるほど、少し見えてきました。 つまり地球人には、一切テクノロジーを渡さないと言う事ですね。
(イ)そのとおりです。 それどころか我々は、地球人の発展を妨げるために来ているのです。
(ハ)おやおや、これは穏やかではありませんねー。 地球人を攻撃するつもりですか。
(イ)誰も攻撃するとは言っていませんよ。 できるだけ穏やかな手段によって巧妙に発展を妨害するんです。 たとえばある人物が重要な発明に関わる研究を 始めたとしますよね。 我々はあらゆる手段を尽くしてその研究を潰しにかかります。 ある時は個人的なスキャンダルを仕掛けたり、別の重要でない研究に注 意を引かせたり、相手が会社の場合には会社乗っ取りだって行いますよ。 あーそうそう! 最近の成功例としては、常温核融合というのがありましたね。 あ れも我々の必死の学会操作が功を奏して、おおむねペテンだという事に落ち着きましたね。
(ハ)ちょっと待ってくださいよ。 と言う事は、あなたがたがいないと私たちはもっと発展していたわけですか。
(イ)まーそういう事になりますね。 特に過去においてはそれなりの成果をあげてきたと思いますよ。 しかし、それも今となっては、どれだけ効果があがっ ているのか。 我々の活動にも限界がありますからね。 それに対して地球人の活動力、変わり身の速さ、もう我々の想像をはるかに超えています。 最近では 逆に我々が学ぶ事もずいぶん増えてきていますよ。
(ハ)つまり、あなたがたの妨害工作も限界に来たと?
(イ)平たく言うとそういう事です。 ところで、ハンニバルさん、約束の時間は5分だけですので、そろそろ終わりにしていただけませんか。
(ハ)待ってください。 肝心な事はまだ何も聞いていませんよ。
(イ)申し訳ありませんが、同僚の宇宙人と飲みに行く約束をしているので。
(ハ)分かりました、それでは最後に一つだけ、何故地球人はテクノロジーで劣っているのに生物学的には優れているのですか。 それから、この先どのような 活動をしていく予定ですか。
(イ)一つといいながら二つ質問していますよ。 まー今答えられるのは、我々としては過去の繰り返しに期待しているという事ですかねー。 これで勘弁して ください。
(ハ)分かりました、そのかわり又、近々インタビューに応じてくださる事を約束してください。
(イ)約束しましょう。
(ハ)それでは今日はどうも有り難うございました。